中京区では、子どもの居場所の情報交換会を通じて団体同士の横のつながりが少しずつ強化されてきました。その中で、子どもの居場所団体や子どもに関わる施設の方から「中京区で子どもを見守る関係者とつながれるあたたかなネットワークがあれば」という意見が多くあり、地域の学区社協の役員さんや、保育施設、小学校、行政の皆様を対象に周知し今回の見守り交流会を企画しました。また、小学校の先生の方からも「小学校は夏休みの子どもたちを送り出すのが心配なこともあります。」というお言葉もあり、夏休みをテーマにこの時期に設定させていただきました。当日の様子をご紹介します。
「更生保護施設とかつて子どもだった人たち」
今回の会場は、中京区社会福祉協議会ではなく、中京区社会福祉協議会から少し南に行った更生保護施設盟親という場をお借りして実施しました。更生保護施設盟親では、犯罪や非行に陥った人たちに対して、「あたたかく迎える」「あたたかい布団を」「あたたかい食事を」を大事に地域や社会とのつながりを支援されています。更生保護施設にいる人たちも、かつて子どもだった人たちです。子ども時代に、困りを感じていた人も少なくありません。その中で、交流会に入る前に、更生保護施設盟親の松平施設長に子どもの居場所とのつながりについてお話いただきました。
更生保護施設について学びや思いを深めたあとに、交流会をスタートさせました。交流会ではまず、テーブルごとの交流に入る前に、オリエンテーションとして3つの団体から話題提供をしていただきました。
「小学校からみた夏休みの子どもたちの姿と夏休み前の取組」
小学校では、コロナ前までやっていた学校を開放する夏休みの取組が減っていると朱一小学校の志村先生はお話されました。その中で、夏休みに送り出すことに対して、気になることもある。子どもや保護者がしんどくならないよう、情報提供など行っていきたいとされ、学校が子どもの居場所の情報を知ることの重要性についても確認しました。
「地域の夏休み期間の取組」
昨年度、夏休みの子ども向けに宿題カフェを行っていた本能学区から実践報告をしてもらいました。宿題カフェは、小学生が大学生や高齢者に見守られながら宿題を行う活動です。本能学区社会福祉協議会が場所を提供し、活動の中心メンバーは同志社大学のサークルUnivateです。家では宿題について集中できない子どもたちが1-2時間見守られながら学ぶ活動で、保護者の方も助かるという声が多かったと言います。活動紹介の後は、本能学区社会福祉協議会の乾会長から、学区社協が子どもの居場所事業をする意義についてお話いただきました。
「子どもの居場所の夏休み期間の取組」
最後に子どもの居場所を代表してReframeの朝倉さんより、夏休みの活動についてお話しいただきました。夏休みの子どもたちにとって、経験となるようなキャンプや、工作など体験学習を大事にしているというお話や、地域の方にも参加してもらえる夏祭りを行っている紹介をしてもらいました。「不登校の子の中には、学校がある期間は、家から出ていることを後ろめたく思う子どももいます。家にこもらず、外に出ていいということを伝えている」とお話されました。
いよいよグループに分かれての情報交換です。今回は近隣学区の団体や地域支援者、関係機関がグループになりお話をしました。テーマは夏休みの子どもたちです。夏休みの子どもに対して、中京区での課題や取組について話し合いました。その中でどのグループでも出た意見が「適切な情報を子どもや保護者に伝えたい」という思いや、「地域の中での横のつながりをつくり顔の見える関係性を持つことが大事」というものでした。
最後に中京区民生児童委員会の鵜飼会長から、「子どもの居場所団体や地域支援者などが、可能な限りお互いが多様な情報を持ち合う。そして、それを何とか子どもと家庭に届けたい。そして、子どもと家庭が、『今日はちょっと絵が描きたいからあの場所にいってみよ』『今日はちょっとお腹がすいているから、あそこの居場所にご飯を食べにいこう』というように自由に選択できることがもし可能であるならばそれはそれで一つの動きとなっていくだろうと思います。」とお話してくださり、この動きは今の中京区だからできることなのではないかとし、団体の横のつながりの重要性を再確認しました。
今回の情報交換会で、子どもに関わる人たちのネットワークづくりの第1歩になっていればと考えています。